『ビブリオシティ・プロジェクト』を開始します

追記:9/4 20:00、パスポート販売を開始しました!

彗星読書倶楽部は、2020年9月より、新しいサービスを開始します。

Twitterアカウントでは何度も告知しながら、詳細まではお話できなかったのですが、ついに全貌を公開できるようになりました。

読書好きが集まり、何もない空白の土地に、想像力と文章だけで都市を作ってゆく。
プロジェクト名は、『ビブリオシティ』です。

コミュニケーション用サーバーサービス『Discord』上で、10名ほどのユーザーが文章を投稿することにより、架空の都市を築いてゆきます。
架空世界の住人になり、他の住人との交流をお楽しみいただけます。

また、合同会社彗星通商(後述)の事務局を介して、ご自身の個人情報を相手に伝えることなく、
別ユーザー宛てに手紙を送る「文通機能」をご利用いただけます。
ぜひ、お気に入りの便箋やインクで、手紙のコミュニケーションをお楽しみください。

『ビブリオシティ・プロジェクト』

きっかけは、ある時私が、「モノとしての本を好む人が集まって、1つの架空都市を全員で作ったら、面白い都市が出来上がるのではないか」と考えたことでした。

まず、ネット上に、ある大きさの土地がある、とする。
そこに、参加者ひとりひとりが家を作る。
その家の中には本棚が必ずあり、参加者の愛読書が置いてある。
参加者は架空都市で架空の(つまり代理の)人格=アバターを作り、他者と交流できる。

土地の地図は、中央に図書館がある以外、全くの空白。
どんな地域が生み出されるのか?
どんな出来事が起こるのか?
それはすべて、参加者の想像力が生成してゆく。

物理世界に住む参加者が、情報空間上で「もう1つの暮らし」が可能になるなら、
そして全員が創造者になれるのだとしたら、
結果として、面白い都市が出来上がるに違いない。

そんなことを、私は考えていました。

それを友人に話すと、
「都市の住人同士が、現実世界で手紙のやり取りができるといいのでは」
「参加者のアバターは人間でなくてもいいのか」

そんなアイディアをたくさんもらいました。

なるほど、読書家の中には、手紙を送る習慣まではなくとも、
愛用のペンやノートやインクを持っている人が多いのは、私もよく知っているところです。
ユーザー同士の文通が可能になったら、それらを存分に使ってもらえる。
コミュニケーションの方法がオンライン偏重となっている時代に、デジタルを介さないやり取りができる。

そして、もしアバターが動物であったり、人魚であったり、幽霊であったりしたら、
動物や人魚や幽霊から手紙が来る、ということになる。

するとこれは、架空世界が物理世界に侵入してくる、ということだと言えます。
大げさな捉え方ではありません。情報空間で生み出されたものが、物理空間で成立しているからです。
まるで、夢から醒める直前、夢の世界のモノを現実世界に持ち込もうと手に握りしめていたら、覚醒した後、それが本当に手の中に残っているようなものです。

言い換えると、
物理世界で得たアイディアを架空都市に持ち込み、
架空都市で生み出されたアイディアを物理世界に持ち帰る……
と、参加者全員が、2つの世界に「機能追加」をほどこし、
2つの世界で「生産=創造」が遂行できるのです。

たぶん、同じようなことを考えていた人は、世界のどこかにはいるでしょう。
しかし、実際にやってみたという話は聞いたことがありません。

それなら……というわけで、この架空都市を、私の手で、本当に作ることにしました。
都市の名前は、ラテン語bibliotheca=図書館から取り、
『ビブリオシティ』
としました。

文通機能について

問題は、ぜひとも導入したい、手紙のやり取り=文通機能です。
AさんとBさんの間で手紙のやり取りをするなら、お互いの個人情報を明かす必要があります。
しかし、このサービスの利用者にとって、相手は素性の知れない人物です。
個人情報を一切明かさず、相手に手紙を送る方法はあるでしょうか?

ところで、私はこの度、新会社を設立しました。
デザイン・ウェブサイト制作・イベント業を主な業務とする、
合同会社彗星通商です。
この『ビブリオシティ・プロジェクト』も、彗星通商の事業の1つとして運営されます。

オフィスは、港区高輪にあります。
Aさんが、封筒やはがきの宛名にBさんの名前を書き、
宛先住所は彗星通商オフィス宛てにして郵送し、
オフィスからBさん宛てに郵送し直せば、互いの個人情報を相手に開示せず、手紙を送り合うことができます。

オフィスからの郵送間隔は、2週間に一度。
その際、手紙だけではなく、「中央図書館」からのお便りも同封されることでしょう。

そのため、参加の際、ご住所を彗星通商にお伝えください。
後述する、オンラインストアでの参加費のお支払い=「パスポート」発行の際に、
ご住所を記入する欄がありますので、
お荷物の届くご住所を入力してください。
(郵送・文通機能をご希望でない方は、「パスポート 電子メール版」をご購入ください。ご住所入力をパスし、Discordとメール配信のみご利用いただけます。)

進め方

ここからは、細かい設定は後回しにして、ともかく、どんな風に参加できるのか、をお伝えします。
プロジェクトの進め方はこうです。

初回の参加人数は10名程度。
ユーザーがどのように行動するか、どんなサポートが必要になるのかを知るため、
初回は2ヶ月の試用期間=ベータ版として運用し、フィードバックを集め、
2ヶ月後に、サービスを一時停止します。

参加希望者は、彗星読書倶楽部のオンラインストアから、「パスポート」を購入。
ご自宅の住所に、中央図書館館長=森大那より、ご挨拶のお手紙と、彗星通商オフィスの住所、詳細なルールブックをお届けします。
(電子メール版をご購入の方には、メールアドレス宛てにPDFをお送りします。)

架空都市を建設する場は、オンライン上に設置されます。
ユーザは、コミュニケーション用サーバーサービス『Discord』にログインし、文章を書くことで、自宅を作り、自宅の周辺の地域を作り、そこでの体験を書き、他のメンバーと共有します。
絵や写真を投稿し、ヴィジュアル情報を入れてもいいですし、ボイスチャットでは会話もできるでしょう。

文通機能は、いつ使っていただいてもOKです。
手紙のやり取りの中で生まれたアイディアが、オンライン上の動きに影響を及ぼすこともあり得るはずです。

試用期間は、9/20〜11/20(予定。確実に2ヶ月は運用しますが、数日後ろにズレ込む可能性があります)。

2ヶ月後、どんな都市が出来上がっているのでしょうか?

参加要項

参加希望の方は、
9/4(金) 20:00
より、彗星読書倶楽部のオンラインストアで販売される
『ビブリオシティ・プロジェクト パスポート発行』
を購入してください。

お値段は、1ヶ月¥1650(税込)として、
2ヶ月分=¥3300です。
ここには運営費・文通機能=郵送の費用が含まれていますので、郵送ありのご参加をおすすめします!

『ビブリオシティ・プロジェクト パスポート発行』

こちらは文通機能ありの通常版です。
STORESのオンラインショップにてご購入いただけます。
ご購入は画像のリンク、もしくは下のボタンからどうぞ!

『ビブリオシティ・プロジェクト パスポート発行(オンライン機能限定版)』

こちらは住所入力不要、文通機能なしのヴァージョンです。
STORESのオンラインショップにてご購入いただけます。
運営に住所を明かしたくない方は、必ず「ゲスト購入」を選択してください。

ご購入は画像のリンク、もしくは下のボタンからどうぞ!

これまでに発見されたハック

私と友人がこれまでに見つけたハック方法に、以下のようなものがあります。

・アバターが人間である必要はない。

・架空の建築物だけでなく、架空の生物を生息されることが可能。

・中央図書館の書物は、もちろん物理世界への貸し出しは不可能だけど、架空の書物を所蔵させることもできるし、存在しないとされる書庫を描くこともできる。

・何らかの事件や出来事を引き起こすこともできる。

(でももちろん、ルールを設けて、やりすぎにならない仕組みにはしてあります)

余談

『ビブリオシティ・プロジェクト』の参考にするため、似た前例を探したのですが、ほぼ見当たりませんでした。
記憶にある限りでは、NHK教育(現在のETV)『天才ビットくん』の一番最初のコンセプトがこれに近かったはずです。
コンピューターゲームでは、『Sim City』でしょうか。
また、近頃では
ARG:Alternative Reality Game(日常空間と物語空間が交差するゲーム)
そして
LARP:Live Action Role Playing Game(現実世界でのプレイヤーの行動がゲーム進行に関わる)
というジャンルが成立しているのですが、この辺が『ビブリオシティ』に近いものではあるのでしょう。

とはいえ、『ビブリオシティ』は、何か最終目的があるわけでも無く、創造の楽しさ、交流の楽しさを感じていただくためのコンテンツです。
皆さんの創造性が、私の予測をどこまで裏切るのか、とても楽しみです。

EDITED BY

森大那

1993年東京都出身。作家・デザイナー。早稲田大学文化構想学部文藝ジャーナリズム論系卒業。2016年に文芸誌『新奇蹟』を創刊、2019年まで全11巻に小説・詩・批評を執筆。2018年にウェブサイト&プロジェクト『彗星読書倶楽部』を開始。2020年に合同会社彗星通商を設立。

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