世界文学としての中島敦

【メンバー限定】世界文学としての中島敦 完全版【彗星読書ゼミ】

第17回の彗星読書ゼミは『世界文学としての中島敦』。
33歳でこの世を去った小説家のテキストを読み解くことで、文学が持つ力の可能性を明晰に浮き彫りにします。

ダイジェスト版はこちら↓

名作短篇小説「山月記」で知られる小説家・中島敦(1909〜1942)。
古代中国を舞台にした作品が代表作と思われている作家ですが、彼の真髄はそれ以外の作品にあると言っても過言ではありません。
朝鮮を舞台に差別・被差別を鋭く描く20代の秀作「巡査のいる風景」「虎狩」、同時代の中国で繰り広げられるはずだった未完の大河小説「北方行」など、彼の出自や思春期の環境が大きく影響しながらも、日本近代文学の中でも傑出した構想を生み出す作家でした。

生涯、日本とヨーロッパは作品の舞台として設定せず、ユーラシア大陸全域や南洋諸島の過去と現在の物語を作り続けたこの作家の、思考の核はどこにあったのか?
伝記的事実と私小説の記述を証拠として、その創作の根源に迫ります。

当時の世界の誰よりもはっきりと「近代人」を小説化した中島敦は、21世紀、世界文学としていかに捉えられるでしょうか。
また、彼が最後にたどり着いた境地としての2部作「悟浄出世」「悟浄歎異」は、「近代という病」を乗り超える可能性をどのように伝えているのでしょうか。

動画では、幻の作品「北方行」の中段部分までのあらすじ紹介、上記の各作品の読解をしながら、最後には、1983年に批評家の浅田彰がベストセラー『構造と力』で記した有名な一節「シラケつつノリ、ノリつつシラケる」という知的態度を乗り越える、別の知的態度についてお話ししました。

きっと中島敦が読みたくなる、きっと文学の力を信じたくなる、1時間超えの講義です。

再生時間:1時間13分17秒


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EDITED BY

森大那

1993年東京都出身。作家・デザイナー。早稲田大学文化構想学部文藝ジャーナリズム論系卒業。2016年に文芸誌『新奇蹟』を創刊、2019年まで全11巻に小説・詩・批評を執筆。2018年にウェブサイト&プロジェクト『彗星読書倶楽部』を開始。2020年に合同会社彗星通商を設立。

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