読書会 主催&参加マニュアル【濃縮版】

彗星読書倶楽部で読書会を始めてから1年半、個人的な読書会歴は5年になりました。
そろそろ、私なりの読書会マニュアルを書いてみようかと思います。

(と言っても、私が仲間たちと作っている文芸誌『新奇蹟』の第五号には、私が書いたかなり詳しい読書会マニュアルが既に載ってますので、読みたい人は、
平井の本棚、ポポタム、B&B、右左見堂、早苗にてお求めください。)

今回のマニュアルは、「最低限、これに気をつければ安心して読書会ができますよ」という流れを書いておきました。
「読書会を開催したい!」
「読書会に参加してみたいけど要するに何をすればいいのかわからない……」

という方が、今日からでも動き出せるマニュアルです。

なお、今回は【濃縮版】と銘打っておりまして、あまり分量が多くならないよう、大枠だけ書いてあります。
流れは主催者の立場に立った流れですが、その中に参加者へのアドバイスも入れてありますので、順にご覧ください。

昨日noteにて有料で販売を始めた『読書会 主催&参加マニュアル【完全版】』には、

・個人経営のカフェを貸切で使わせてもらう方法
・より詳しいトラブル回避法
・管理人がよく使う工夫
・参加者の意見が絶え間なく出る読解&質問テクニック

などなど、書けるだけのことを9400字で書きましたので、
「もっと意見が活発に出る、充実度の高い読書会にしたい!」
という主催者&参加者は、ぜひご覧ください。ヒントを詰め込んどきました。
(始めの2000文字くらいは無料で読めます。私からのメッセージもたくさん書きました……!)

【準備編】

読書会のタイプを決めよう

世の中を見渡してみると、2つのタイプの読書会があることがわかります。

1:参加者が、他の参加者に対して、自分の好きな本を紹介するタイプ(紹介型)
これは手軽で、今日の日本で一番多い方式。ただ、深く読み込む機会にはならない。

2:事前に決められた文章を読んできて、みんなで話し合うタイプ(課題型)
事前にみんなで同じ文章を読んでくる必要があるので集客には少し苦労しますが、文章をこれでもかというくらい読み込めます。

場所と時間を決めよう

場所に関しては、基本は以下の4つではないでしょうか。
・レンタルスペース(公民館も狙い目)
・コワーキングスペース(大部屋)
・チェーンのカフェ(ただし予約は取れないので開店直後限定)
・個人経営のカフェ(貸切にしてもらうオファーをしてみるのもOK)

時間ですが、社会人が参加するのであれば、19時開始がオススメ、土日ならば午前でも午後でも快適です。

告知方法

知り合いだけで開催なら、連絡を取り合えばいいですね。
慣れないうちは、全員で集まれる日時を決めて、そこから場所を探しましょう。

顔見知りですらない、全く初対面の人を呼びたいなら、今の時代、SNSが主戦場になります。
日時、場所、定員、参加費、あと、できれば開催最低人数(彗星では4人にしています)。

「話さなくても、聞くだけOK」
これを追記しておくと、一部の人には親切かもしれません。
参加者として
「別に自分から話したいというほどじゃないけど、みんなの意見や感想を聞いていたいんだよなあ……」
と思ったら、主催者に相談してみましょう。99.9%は OKしてくれます。

申し込み方法を、SNS上で済ませることにするか、ブログやチケットシステムなどの別ページに誘導するかは、おのれの技量で決めてください……!

ブログは必要?

必須ではないです。
ただ、参加に際してのお願いなど、たくさんのことが書けますし、会が終わったらレポートも書いて次の告知につなげられますから、読書会活動を長く続けたいなら、稼働させると超絶便利です。

【当日編】

自己紹介の方法

参加者が全員顔見知りなら、ここはすっ飛ばしてください。
初対面同士の人たちが1人でもいたら、名札を作りましょう。
首から下げるタイプを100均で調達してもいいですし、紙を三角に折って名前を書くのも手頃です。
主催はなるべくたくさん自己開示しておくと、後に続く人も話しやすくなりますよ。
ほか、「差し支えなければ、ご職業や、ご専門があったら教えてください」と言っておくと、お互いの記憶に残りやすいです。

読書会の説明

「感想をみんなで語り合う会です」
「疑問があればいつでも質問してください、みんなで考えてみましょう」
「事前知識は気にしなくていいので、気楽に感想を教えてくださいね」
という、当然と言えば当然のセリフですが、こう言ってもらえるだけで、参加者は安心します。

進行方法

紹介型:順番に手持ちの本を紹介してもらう。
1人10分くらいが目安でしょうか?
参加人数しだいで持ち時間を決めてみましょう。
あとは参加者が話してくれます。

課題型:全体的な感想を聞く
どこから話を始めるか、ですが、方法はいくつもあります。
一番のオススメは、まず全体の感想を訊くことです。参加者に順番に話してもらいましょう。
すると、
「好きな部分」
「分からなかった(理解できなかった)部分」

などが見えてきます。
そこから話を広げていきましょう。

注意:雑談はやめよう

雑談は、相当なトークスキルを持つ人が主導権を握らなければ、内輪話が続く恐れがあります。
危なくなったら、主催者の権力を発動して、次の話題に移りましょう。
これは参加者が強引に別の話題を出してもいいです。
せっかく本の話をしにきているのだから、遠慮は要りません。

もし、何かトラブルが発生したら?

参加者としては、速攻、主催者に相談しましょう。
主催者はそのあたりをかなり気をつけてますから、全力で問題解決に動くはずです。

逆に主催者は、その場でもっとも強い立場にいるので、毅然と対応しましょう。
議論が感情的に白熱したり、知識マウンティングをする人がいたら、強引に次の話題に移る。
しつこくビジネス勧誘をする人がいたら、「やめてください」「今回の参加はご遠慮ください」くらい言ってもいいのです。

ちなみに、彗星ではトラブルは一度も起こっていません。
「じゃあ説得力ゼロじゃないか!」って?
いえいえ。
当日に至るまでの間に、防衛策をいくつも用意しているのです。それが成功しているから、トラブルが起こらないというわけです。

その具体的な方法は、『読書会 主催&参加マニュアル【完全版】』 に書きましたので、参考にしてみてください。
有料ではあるものの、今後のイベント運営や、初対面の人との関わり方をスムーズにするために使える方法をたくさん入れておきました。

なお、彗星読書倶楽部の読書会は、大枠は上の通りですが、会の進行は、もっと色々なテクニックを使って、皆さんに話していただいています。
自信満々に言いますが……課題型の読書会としては、間違いなく、日本一充実した読書会です。
もちろん、専門的な議論は無し。読書会初参加の人でも楽しんでいただけるよう、毎回、事前知識ゼロで楽しめるように設定しています。
体験してみたい人は、ぜひ一度いらしてくださいね……!

EDITED BY

森大那

1993年東京都出身。作家・デザイナー。早稲田大学文化構想学部文藝ジャーナリズム論系卒業。2016年に文芸誌『新奇蹟』を創刊、2019年まで全11巻に小説・詩・批評を執筆。2018年にウェブサイト&プロジェクト『彗星読書倶楽部』を開始。2020年に合同会社彗星通商を設立。

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