KWL表で、学習と思考を明晰化しよう。

KWL表

意外に思われるかもしれないけど、超有名大学を卒業したエリートビジネスマンでも、勉強の仕方がそれほど上手ではなかったり、そのことが人に言えない秘密であったりすることがある(なぜ僕がそれを知っているのか、理由は書かない)。

で、これは意外でもなんでもない事実だけど、
ある種の訓練を受けていないと、人は、学んだことをハッキリと思い出せなかったり、思考がすぐ混濁したりする。
でも、思考の整理法って、習ったことあります?
僕は大学に入るまで一度も無かった。
しかも大学でも、それを教わったのは英語のネイティヴの先生からで、日本人の教員からは全く教わらなかった。

どうも妙だ。
広まるべきものが、全然広まっていない。
ここらで、曖昧な学習は打ち止めにしよう。

思考の整理は、実は簡単だ。
今回は、KWL表という、恐ろしくシンプルで、それゆえにすぐさま効果を発揮する方法を紹介する。


方法は簡単。次のような表を、ノートに大きなスペースを使って書くだけでいい。(あるいは頭に思い浮かべるだけでもいい。)

K
W
L






これはなにかというと、

K=What I know
自分が知っていること
W=What I want to know
自分が知りたいこと
L=What I learned
自分が学んだこと
・(この空欄に書いていく)








このように整理するということだ。
これが、読書のときや、授業に出るとき、調べ物をするときに効果を発揮する。

K:
何かを学ぶ前に、Kの欄に、今の自分が知っていることを書く。これは簡単でいい。ただ、多ければ多いほどいい。
これによって、早々と思考の整理ができるし、なにより、学習後に自分がどれほど変わったのか、実感することができる。

W:
そしたらすぐに、Wの欄に、今の自分が知りたいことを書く。
これも多いほどいい。また、些細なものでもいい。
すると、学ぶ目的ができる。
この状態で読書や授業などの知識吸収をすると、自分にとって余計な情報はカットされ、知りたいことだけが頭に入ってくる。

L:
学習後に、Lの欄に、今回初めて知ったことを書く。
すると、学習前と学習後で、自分がどれほど変わったのかが可視化されている。

そんなの当たり前の手続きじゃないか、と思うなかれ。
多くの人が、これを整然とやってのけることができない。

今の自分が何を知っているのか。
自分は何を知りたいと思っているのか。
自分は何を知ったのか。

それらが曖昧なまま、時間を無為に過ごしてしまう人は、あまりにも多い。

お疑いの向きは、まあ、一度試してみることだ。


(ウィキペディアのリンクを参考までに貼っておくけど、長ったらしい説明を読むより、とっとと表を紙に書いてみるほうがいい。)

ウィキペディア:KWL表

英語版ウィキペディア:KWL table

Photo by Joao Tzanno on Unsplash

EDITED BY

森大那

1993年東京都出身。作家・デザイナー。早稲田大学文化構想学部文藝ジャーナリズム論系卒業。2016年に文芸誌『新奇蹟』を創刊、2019年まで全11巻に小説・詩・批評を執筆。2018年にウェブサイト&プロジェクト『彗星読書倶楽部』を開始。2020年に合同会社彗星通商を設立。

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