【メンバー限定】三島由紀夫『仮面の告白』講義完全版【彗星読書ゼミ】
第22回の彗星読書ゼミは、戦後の日本を代表する小説家・三島由紀夫の長編小説『仮面の告白』を解説します。
自分と同じ男性を好きになり、美しい王子が残虐に殺される童話を好む少年は、やがて園子という娘と出会い、プラトニックな愛と自分の本性との間で揺れ動きます。
そして訪れる敗戦の時。新たな時代で、彼が目撃したものとはなんだったのか。
1949年発表の本作は、当時24歳だった作者の自伝的要素が強いとされ、自分に宿る同性愛をひた隠しにする青年の苦悩を描き高い評価を得た小説です。
自分の性質を鋭い言葉で表現しながら、時代や恋愛への批評的な言葉も語られています。
三島の代表作であることは間違いありません。
しかし、前半部の絶妙な緊張感が、後半では一転してトーンダウンしたり、
明晰な文章が続くかと思いきや、読者を置いてけぼりにする過剰な内面描写が続くなど、
簡単な小説とは言い難い側面があります。
今回の講義では、小説の結末まであらすじを紹介したあとで、
・書き手としての三島由紀夫が早熟になれたのは、「記憶の仕方」に、ある特徴があったから。
・小説の形式(文体)に着目するとき、作品全体に張り巡らされた比喩の関係が明らかになる。
・三島由紀夫、森鴎外、芥川龍之介には、表現上のある共通点がある。
・小説の内容(物語)に着目するとき、主人公が取り憑かれる「悲劇的なもの」とは何か、そして、なぜ社会に貴賤が生まれるのかが明らかになる。
といった内容を解説します。
よく注意して読まないと気がつかない三島の工夫を詳しく解説すると同時に、
本編を読むだけではわからない「悲劇的なもの」の真の意味を説明しています。
他のどんな解説や論文よりもわかりやすい『仮面の告白』解説、1時間20分の講義です。
月額¥3,300(学生¥1,650)のメンバーになることでお楽しみいただけます。
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