【SQ3R読書法】を紹介する。


本の内容を長期記憶化し、読む速度も上げられる読書法がある。
【SQ3R読書法】だ。
とても良くできたリーディング・システムで、記憶への定着率が高くなるようになっている。
一種の速読法と宣伝されることもある。
だが、日本では学校で教わることが全く無い。
管理人はこれを、大学で、イギリス出身の英語教師から学んだ。
最近は、元外交官の佐藤優や元財務官料の山口真由なんかがこれをアレンジした
読書法を公言しているから、少しはこのメソッドが広まりつつあるのかもしれない。
(もっとも、この二人は、自分で発明したという可能性も充分あるのだが)

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やり方はシンプル。
次のSQRRRを順番にこなせばいい。

S:Survey
まず、本文は読まない。
リード文(その章全体を事前にまとめた文)を読む。
リード文がなければ、本文の最初の3行くらいを読む。そこに章の要約が書いてあることが多いからだ。
その後、その章の太字になっている部分、図、表など、目立つもの、平坦な本文以外のところを読む、というか「見る」。
これによって、その章の大枠を事前に確認しておくのだ。
終わったら、次の章へ。
最後の章まで完了したら、この本の大枠が掴める。

Q:Question
本の題名や、各章のタイトル、見出しなどを改めて見返しながら、自分が知りたいことは何なのか、疑問を列挙する。
1冊全体に対する疑問と、各章ごとにいくつかの疑問を作れるとベストだ。
頭の中で列挙してもいいけど、記憶力が不安な人は紙に書くと忘れる心配がない。

R:Read
ここで初めて、各章の本文を読んでいく。
その際、Qで挙げた疑問に答えることを目的に読む。
すると、余計な文章はすっ飛ばし、自分にとって重要な部分だけを探すようになるので、読むスピードは速くなる。

R:Recite
ひとつ章を読み終えたら、Qで出した疑問に答える。
短期記憶されているその章の内容から答えるわけだ。
このとき、本文を読み返さない。
得た内容を、自力で思い出し、自分の語彙で表現し整理することで、長期記憶化させる。
もし答えられなければ、もう一度、Readに戻る。

R:Review
上の4つの手順がすべて完了したら、その章の全体を思い出し、要点や関係性を整理する。総仕上げというわけだ。
紙に書かずにできる人もいるけど、さすがにこれはノートに書いたほうがいいと私は思う。
わざわざ文字を使うのには、やはり絶大な効力がある。

大枠を掴み、自分で問題設定をし、その問題に自分の語彙で解答を与え、あらためて要点を抜き出す。
情報を長期記憶化させるための工夫が随所にこめられた学習法・読書法だ。

やってみた?
どうだろう……Rの段階で、読む速度がいつもよりも速くなったと感じたのではないだろうか。
この読書法は、訓練すればするほど要領よく進められるようになるし、出力される結果もハイクオリティになる。
これを図書館でやるとどうなるか……もうわかるね?

もちろん、小説や詩を速読しても何の意味もない。
(付き合いで読まねばならない場合は別だけどね)
情報収集をしたいとき、積ん読本を消費したいときにこそ、ぜひ使ってみてほしい。

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EDITED BY

森大那

1993年東京都出身。作家・デザイナー。早稲田大学文化構想学部文藝ジャーナリズム論系卒業。2016年に文芸誌『新奇蹟』を創刊、2019年まで全11巻に小説・詩・批評を執筆。2018年にウェブサイト&プロジェクト『彗星読書倶楽部』を開始。2020年に合同会社彗星通商を設立。

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