正木香子さんの講座に参加してきた
1月の彗星教室で講師をつとめていただいた、文筆家の正木香子さんのイベントに参加して来ました。
以前は主催者として受付係に徹していましたが、今回はお客さんとして……!
東京都千代田区の日比谷図書文化館では、『日比谷カレッジ』と題して様々な講座が開催されています。
通例、平日は午後7時から、土日祝日は午後2時から開始ということになっています。
今回のタイトルは、『正木香子さんと味わう書体の世界』。
講演の内容はその場にいた人だけの秘密ではありますが、あまりに素晴らしい読解だったので、これだけはツイートしてしまいました。
日比谷カレッジ『正木香子さんと味わう書体の世界』幕。
毎回とても鋭い読解を披露してくださる正木さん、今回驚いたのは、手塚治虫・岡崎京子・浅野いにおの例を引いて、「黒ベタ白ヌキモノローグ」は白字のフォントで黒背景の印象が違うという見方。
やられた……!@mojisyoku— 彗星読書倶楽部 (@suiseibookclub) 2019年3月13日
手書き文字で”黒ベタ白ヌキ”なら、つげ義春の「ゲンセンカン主人」が最初、という説をどっかで読んだ記憶がありますが、手書き文字とフォントで対比しても、黒ベタの暗闇の印象は違ってきますね。
正木さんは5月19日にも講演をされるとのことです。
展覧会の詳細は上の画像から。
正木さんの詳細は↓
- 講師:正木香子(文筆家)
- 日時:2019年5月19日(日曜日)午後2時から4時
- 場所:町田市民文学館2階大会議室
- 定員:80名(申込順)
- 参加費:無料
正木さんのウェブサイト『文字の食卓』はこちら。
正木さんの単著はこちら。
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このほか、各種雑誌にも文章を寄せておられるほか、
ウェブ平凡では『タイポグラフィ・ブギーバック』を連載中。
目覚ましい活躍ぶりですよね。
これはつまり、正木さんの文筆家としての旺盛な活動力だけが理由ではなく、
正木さんの提示する本の(文字の)読み方が求められるようになった、ということだと思います。
ちなみに上の連載、管理人のお気に入り回は、「第2回 モノローグの文法」。
おもしろいのは、『ちびまる子ちゃん』が国民的アニメとして大ヒットした90年以降、マンガでは〈タイポス〉のモノローグから「わたしは」という主語が姿を消すことだ。
『ちびまる子ちゃん』のアニメ化によって、原作の文字の使い方が変質した……!?
この仮説は管理人が思わず声を上げたくらい鋭い。
正木さんは、「読みの現場」調査の達人です。